アルティミット滑材注入システム(ULIS)
滑材注入は、地山と管の周面抵抗力を減じるとともに管周面地盤のゆるみ防止を目的とします。
ULISには次二つの方式があります。
1.一系統方式
一次・二次注入とも一系統配管で適宜注入量を設定して、推進管の進行に合わせて自動的に順次注入する方式です。
滑材は一次・二次ともアルティーKまたはアルティーK2を使用します。
主に粘性土および砂質土主体の土質で採用します。
二次注入孔の間隔は50m毎を原則とします。
一次注入1m当り注入量q1(L/m)は下表より選定します。
呼び径 | 800 | 900 | 1000 | 1100 | 1200 | 1350 | 1500 | 1650 | 1800 | 2000 | 2200 | 2400 | 2600 | 2800 | 3000 | 3500 | 4000 | 4500 | 5000 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
土質A・D・D1・D2・F | 62 | 69 | 77 | 83 | 91 | 101 | 114 | 124 | 134 | 149 | 164 | 179 | 193 | 207 | 222 | 384 | 436 | 493 | 549 |
土質B・B1・B2 | 93 | 104 | 116 | 125 | 137 | 152 | 171 | 186 | 201 | 224 | 246 | 269 | 290 | 311 | 333 | 576 | 654 | 740 | 824 |
土質C1 | 124 | 138 | 154 | 166 | 182 | 202 | 228 | 248 | 268 | 298 | 328 | 358 | 386 | 414 | 444 | – | – | – | – |
2.二系統方式
二系統配管で一次は管と地山の間隙分を注入、二次は注入上限圧力と注入時間を設定し自動的に注入する方式です。
一次注入はアルティークレイ等を、二次注入はアルティーKまたはアルティーK2を使用します。
主に砂礫土や耐水砂層主体の土質で採用します。
二次注入孔の間隔は50m毎を原則とします。
注 800~1000は泥水式のみです。
3500~5000は土圧式のみです。
二次注入量総量 Q2(L)
Q2 = 0.002 × q1 × Ⅼ × (Ⅼ – 50) L:推進延長(m)
推進用滑材
アルティーK [主な特長]
1. | 全土質で管周面摩擦抵抗の低減効果が大きい |
管と土とのせん断抵抗を著しく低減できる | |
2. | 水溶性が小さい |
水のあるところでも溶出せず、テールボイドに残る | |
3. | 保水性が大きい |
水のないところでも滑材内の水分が逃げず、性能を発揮する | |
4. | 高粘性で経時変化が少ない |
長距離の場合でも周面地山保持などの性能を長期間維持する | |
5. | 耐塩性が大きい |
水溶性と相まって塩分のある土質でも性能を相当程度維持する | |
6. | 取り扱いやすい |
200リットル当たり1.2kgで、運搬し易く、撹拌時間も短い |
長距離推進用に開発された一液性の高粘性滑材です。
全ての土質に対応し、経時変化が少なくテールボイドを良質な状態で保持するため、周面抵抗力の低減が得られます。
アルティーK2 [主な特長]
1. | 対塩性が高い |
金属イオン(塩分)の多い地下水中でも性能を長時間維持する。 | |
2. | 全土質で管周面抵抗の低減効果が大きい |
長時間において管周面抵抗の低減効果を維持する。 | |
3. | 取り扱いやすい |
主材と助剤とを少量混合撹拌して作液できる。 | |
4. | 水道水でない希釈水の使用可能 |
原則として作液には水道水の使用をお願いします。 |
金属イオンの多い、塩分濃度が高い地下水に対しても滑材の性能を維持するために開発された、一液性の耐塩性滑材です。
アルティークレイ [主な特長]
玉石・砂礫などの厳しい土質条件でもテールボイドを保持するために開発された、二液性で超高粘性の流動性可塑剤です。
1. | 耐希釈性に優れ超高粘性を維持 |
海水など地下水に塩分が含まれている場合も影響を受けず、経時変化いない。 | |
2. | 厳しい土質条件でも安定保持 |
砂礫層などの厳しい土質条件においても地山を安定保持する。 | |
3. | 幅広い土質に対応 |
主玉石・礫層など幅広い土質に対応でき、地上や井戸への噴発もない。 | |
4. | 地中環境に優しい |
安全性に優れ、地下水を汚染せず地中環境に影響を与えない。 | |
5. | 高礫率地盤や海底下にも有効 |
高礫率地盤や河川横断、海底下などの推進工事にも有効。 |
弾性逆止弁、テールボイド測定器
推進管のグラウトホールに弾性逆止弁を取り付け、テールボイド測定器で地盤の状態・滑材の充填状況を把握することで、テールボイドを管理します。